Japanese
English
症例研究
卵巣妊娠の1例
A case of ovarian pregnancy
依田 富弘
Tomihiro Yoda
pp.625-627
発行日 1956年9月10日
Published Date 1956/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201418
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緒言
1878年Spiegelbergは卵巣妊娠の確診の為に充足すべき徴標を提唱した1)。即ち,(1)患側卵管は胎嚢形成に無関係であること,(2)胎嚢は局所解剖学的に卵巣の位置に存在すること,(3)胎嚢は固有卵巣靱帯により子宮体と連絡すること,(4)胎嚢壁に卵巣組織を証明すること,であつた。1899年van Jussenbrockが確実な症例を報告して以来,我国においても10数例2)〜11)の発表が行われたが,猶その発現頻度は比較的稀有なものとされている。著者は最近,子宮外妊娠破裂の診断にて開腹し,肉眼的,病理組織学的に卵巣妊娠であつた1例を経験したので報告する。
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