今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
その他の診断法
2.どのような症例に組織診を行うか
駒木 幹正
1
1徳島大学医学部第2外科
pp.476-481
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904315
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はじめに
乳腺疾患の診断で最も重要なことは乳癌を的確に診断することであり,このためには乳癌だけでなく乳腺にみられるさまざまな病態に通じ,乳腺疾患に対する理解を深めておくことが必要である.
乳腺疾患に対する診断法は他項でも詳しく述べられているようにさまざまな方法があるが,最終的な確定診断は病理組織診断に委ねられる.しかし,多くの症例では画像診断や細胞学的診断で正しい診断が可能である.よって,組織学的診断法(以下,組織診)を根治的治療の前に行うのは,良悪性の鑑別診断が困難な場合や治療前に病変の詳細な情報を把握する必要がある場合などである.また,早期乳癌や前臨床期乳癌を積極的に発見する姿勢は臨床的,学術的にもきわめて重要であるが,そのために多くの良性疾患症例や健常例に不要,不急な外科的侵襲を加えることは慎まなければならない.
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