今月の臨床 婦人科医のための乳癌検診
視触診
3.乳癌と乳腺症の鑑別
山片 重房
1
1石切生喜病院
pp.384-389
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904300
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乳腺症とは何か—その本体と用語について
乳房は見かけ上,やわらかく滑らかな臓器であるが,内部はたいへん不均一であって,乳腺・乳管を構成する上皮組織と,線維性組織と脂肪組織とから成り立っており,しかもそれらが不均一に分布している.この不均一な組織構成が生理的にも乳房の不均質性,不規則性を招き,容易に非炎症性・非腫瘍性の肥厚・硬結や腫瘤形成を許すことになる.
乳房痛,圧痛と“しこり”は,乳房に関する患者の訴えの大半を占め,この徴候の多くが月経開始直前の時期に著しくなるという特徴を有している.
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