今月の臨床 性感染症—胎児から癌まで
性感染症と産婦人科疾患
8.母子感染—肝炎ウイルス
稲葉 憲之
1
,
大島 教子
1
,
深澤 一雄
1
1獨協医科大学産科婦人科学教室
pp.58-61
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904231
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はじめに
2年前,わが国で新しいヒト肝炎ウイルスが登場した.TTウイルス(TTV:TTは患者イニシャル)である.その数年前にはG型肝炎ウイルス(HGV:GBV-C;GBは外科医イニシャル)が報告されている.これらのウイルスの出現によって輸血後肝炎の残された課題があらかた解決されるのではと期待されたが,ことはそう簡単ではないようである.本稿ではまず,肝炎ウイルスについて整理し,次いでその母子感染の自然史を述べ,最後に当科におけるB型肝炎ウイルス母子感染予防法を紹介したい.
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