ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 子宮頸癌
Topics
子宮頸癌とヒトパピローマウイルス
川名 尚
1
,
吉川 裕之
1
,
山本 悦太郎
1
Takashi Kawana
1
1東京大学医学部産婦人科教室
pp.326-327
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207172
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多くの疫学的研究から子宮頸癌は,性交の経験のない婦人には極めて稀にしか発生しないことが判っている。売春婦などの多くの男性と性交の機会のある婦人や若い時から性交経験の多い婦人に子宮頸癌が発生しやすいこともほぼ間違いないようだ。つまり,子宮頸癌は,男性性器から移入される何物かが原因となっていると考えられる。現在,この「何物」として性交によって移る微生物,即ちSexually Transmitted Diseases (STD)と精液がその候補となっている。
性交によって移る微生物にはウイルスから原虫,カビに至るまで多くのものがあるが,その中で,発癌性の証明されているものはウイルスである。例えば,単純疱疹ウイルス(Herpes Simplex Virus,HSV),パピローマウイルスなどである。
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