臨床経験
腹腔鏡第1トロッカー挿入におけるエクセルを用いた安全なダイレクト法の手技
北 正人
1
,
岡田 悠子
1
,
辰本 幸子
1
,
志馬 裕明
1
,
中村 光彰
1
,
山田 聡
1
,
小島 謙二
1
,
星野 達二
1
,
伊原 由幸
1
1神戸市立中央市民病院産婦人科
pp.1421-1426
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100424
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はじめに
婦人科腹腔鏡下手術の手技に伴う事故では,最初のトロッカー挿入時に発生するものが多く1~3),腹腔鏡手技のうち,最も注意が必要な段階の1つである.そのため,このトロッカー挿入に対して従来よりさまざまな工夫・器具の開発が行われてきている.トロッカー穿刺法は,トロッカー挿入前に小開腹を行うオープン法と,開腹を行わないクローズド法に分類される.クローズド法は,通常,まず気腹針で第1穿刺後,気腹し,そののちトロッカーで再穿刺するが,気腹針を使用せずトロッカーで直接第1穿刺を行う方法をダイレクト法と称している.オープン法はクローズド法に比べ手技が煩雑であり,創が大きい代わりに腹腔内臓器の損傷が少ないといわれていたが,クローズド法,特に気腹針を用いないダイレクト法が開発され,その安全性が認められるようになっている.ダイレクト法は最初は鋭利な先端のトロッカーを用い,穿刺時の触感のみで盲目的に穿刺を行うブラインド法のみであったが,先端が鈍性のトロッカーが用いられるようになり,また先端が透明なトロッカーも開発され,鋭的な損傷を起こさずにスコープによる透見・直視下に穿刺が行えるようになった3~11).
本稿では,エクセル(旧品名オプティビュー,ジョンソン・エンド・ジョンソン)を用いたダイレクト法の具体的な方法について述べる.
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