今月の臨床 母子感染—最新の管理指針を考える
ウイルスの母子感染とその管理
10.ウイルス関連性血球負食症候群
田中 太平
1
,
戸苅 創
1
1名古屋市立大学医学部小児科学教室
pp.1302-1305
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904184
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はじめに
胎内感染症のTORCH症候群では慢性的な感染所見を呈するが,分娩前後でのウイルス感染症は児に重篤な症状をひきおこす場合もある.われわれは,分娩直前に母親がウイルス感染症に罹患し,垂直感染によって児がウイルス関連性血球貧食症候群(VAHS:Virus associated hemo—phagocytic syndrome)を合併した3例を報告した1).起炎ウイルスはコクサッキーB2と単純ヘルペスウイルスで,いずれの症例も血小板減少症・貧血・GOT優位の肝障害・高LDH血症・高フェリチン血症を伴い,骨髄検査によって血球貪食像を多数認めた.ここでは,VAHSについての総論および新生児期VAHSの特徴について述べていくことにする.
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