2色ページ ホメオステーシス入門・5
負フィードバック系としての神経反射
畠山 一平
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1北里大学医学部生物物理
pp.576-579
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917020
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反射弓と反射円
医学において‘反射’といえば,直ちに神経系を介する反射のことを考えるのが普通であろう.一般用語としても‘反射的に行動する’などと使われている.ところがあらたまって‘反射とは何か’と問われると即答に窮する人が少なくないのではなかろうか.
神経反射は‘反射弓’から構成されていると教科書に記述されている.すなわち,図1aに示すように,受容器に与えられた外部刺激情報が,求心路を通って神経中枢に達し,そこで刺激に応じた遠心性のインパルスが発生して,特定の効果器に遠心路を通って伝わり,効果器が一定の動作をする.このとき中枢過程において‘意志’が関与しない場合,この動作を反射と定義することができる.ただし,特殊な用語として‘軸索反射’という使い方もある.これは同一軸索突起の枝の一方から求心的に伝わったインパルスが,他の枝に折り返して遠心的に伝わることを意味しているから,標準の反射弓から中枢部が欠除した形となっているが,この場合も意志は関与していないわけである.
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