臨床経験
子宮摘出術に際して行うMcCall改良法の実際
下浦 久芳
1
,
古山 将康
2
,
徳川 吉弘
2
,
村田 雄二
2
,
木村 俊夫
3
1下浦産婦人科医院
2大阪大学大学院医学系研究科・医学部臓器制御外科学(産科学婦人科学)講座
3兵庫県立西宮病院産婦人科
pp.1141-1146
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904145
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性器脱の手術において,腟に十分な支持を与えることは最も重要なポイントである.本来,子宮頸部,腟円蓋部は基靭帯・仙骨子宮靱帯系によって支持されており,解剖学的な修復を行うことにより,腟管短縮や再腟脱を防止することが可能となる.小腸脱に対するダグラス窩形成術として報告されたMcCall法は,その後Nicholsによって改良され,腟管の軸と深さの復元術として有用な術式である.McCall改良法ではダグラス窩が効果的に閉鎖されるため,小腸脱の修復とともに術後の小腸脱の予防となる.上部腟管の支持異常のある症例の全てが本術式の適応である.縫合にあたっては尿管の巻き込みに注意が必要であるが,習熟すれば簡便で安全な手術として広く考慮されるべきであると考える.
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