研究
IUD除去後の受胎性について—当院におけるIUDの臨床成績・第3報
村山 茂
1,2
,
根本 謙
1
Shigeru Murayama
1,2
,
Ken Nemoto
1
1東電病院産婦人科
2慶大医学部
pp.153-158
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204783
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まえがき
IUD (intrauterine device)は本質的には一時避妊の目的に叶うべきものである。したがつて,児を希望してIUDを除去した場合には,すぐ挿入以前の妊娠可能な状態にもどらなければならない。すなわち,IUD除去後において,次回妊娠の成立が障害されるとか,遅延するとか,あるいはたとえ妊娠しても流産に終るとか,さらに分娩時に障害を認めたり,新生児の異常があつてはならない。
最近の報告では,Wajntraub G.は305例の除去後の受胎性について述べ,18か月以内に93.1%が妊娠し,妊娠のおくれる症例もあるが,不妊を来す者はなく,また妊娠,分娩,新生児の異常などは認めないと述べている。また,Arther M. HillはGräfenbergのRingを使用した1,070人の33年間の臨床統計を述べ,児を希望してIUDを除いた135人中134人が妊娠し,132人が健康正常児を出産したと述べている。
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