連載 OBSTETRIC NEWS
新生児GBS敗血症予防—CDCの二戦略の有効性
武久 徹
pp.828-829
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904069
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早発型新生児B群レンサ球菌(GBS)敗血症の垂直感染を防止する方法として,一定の基準で候補者を選択し,分娩中に抗生物質を投与する方法が採用されている.しかし,オーストラリアで30,000例の妊婦を対象にした研究で,培養陽性妊婦全例に分娩中に抗生物質を投与しても,新生児GBS感染症は出生児1,000例中0.5例でゼロではなかったことが報告されている(Aust NZ J OB31:119,1991).新生児GBS敗血症を防止するために妊婦全例にGBS培養を行い,検査結果に基づいて治療をするか,危険因子に基づいて治療をするかについて結論が出ない状態で,1996年6月に米国防疫センター(CDC)から二つの戦略が勧告された.
CDCの勧告で,どの程度の新生児GBS敗血症が予防できるか,費用効果の問題,GBS以外の新生児感染の問題など,いまだ結論が出ていない問題が残されているが,二戦略の有用性と問題点を検討した研究が発表されている.
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