連載 OBSTETRIC NEWS
新生児B群レンサ球菌(GBS)感染症の予防 : 検査と治療の留意点
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1566-1567
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101358
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2002年8月にCDCから,および2002年12月に米国産婦人科学会(ACOG)から早発型新生児GBS感染予防に関する新しい推奨が発表された.推奨された戦略に基づき適切に管理されれば母児の恩恵は増加する.しかし,不適切な管理が行われると費用効果の点でも問題が発生する.GBS自体の特徴を理解したうえで検査や治療を行う必要がある.GBS培養の問題点(時期,検体採取場所,培養方法)と培養結果をどのように利用するか(採用する治療方法や治療時期が信頼できる研究結果に基づいているか?)を考慮して検査と治療を行わなければならない.
1. 検体採取
GBSは下部消化管に集落を形成し,ついで生殖器,尿路系に蔓延する(集落形成の頻度は直腸内>肛門周囲>外陰>腟内>頸管>尿中)ことが多い.したがって,尿路感染症の起炎菌がGBSのときは腟内の集落形成は高度であると考える必要がある.反対に淋菌やクラミジアの検査と同様に検体を頸管から採取すると偽陰性の発生する可能性がある(図1).したがって,検体は会陰,肛門周囲と直腸内から採取する.腟鏡を使用する必要はない.
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