今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
不妊の治療
6.顕微授精,ICSI,MESA,TESE
栁田 薫
1
,
片寄 治男
1
,
佐藤 章
1
1福島県立医科大学医学部産科婦人科
pp.578-588
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904015
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顕微授精microinseminationとは,顕微鏡下にマイクロマニピュレーターを用いて雌雄両配偶子(卵および精子)を操作し,受精を介助する一連の手技を指す1).通常の体外受精—胚移植法(IVF—ET)では受精卵が得られない重症男性因子不妊症や原因不明受精障害症例に適応される技術として今日の不妊治療の現場で定着しているといってよい.また,顕微授精法のなかで現在主として行われているのは,その有効性の高さと安定した受精率が得られることから卵細胞質内精子注入法intracytoplasmic sperm injection(ICSI)である.
本稿では,今日まで発展してきたICSIの治療の現状と問題点に重点をおいて解説する.
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