今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
性成熟期
4.機能性子宮出血
堂地 勉
1
1鹿児島大学医学部産婦人科
pp.412-415
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903988
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機能性子宮出血(functional/dysfunctional uterine bleeding)の定義は必ずしも統一されていないが,「妊娠,腫瘍,炎症,外傷などの器質性出血および月経出血を除いた内分泌機能異常に由来する子宮出血」とわれわれは考えている.産科婦人科用語解説集には血液疾患によるものも含むとしてあるが,血液疾患による子宮出血を機能性子宮出血に含めることには疑問がある.本来,機能性子宮出血は内分泌系の不協和,とりわけ視床下部—下垂体—卵巣系の機能異常による出血を想定したものであることから1,2),性腺以外の内分泌疾患による子宮出血を機能性子宮出血に含めるか否かも検討の余地がある.
機能性子宮出血は器質性子宮出血(organic)に対応したものとしての機能性(functional)であり,さらに内分泌腺の機能失調によると考えればdysfunctionalといえる.
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