今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
III 内分泌外来
6. 機能性子宮出血
金崎 春彦
1
,
宮崎 康二
1
1島根大学医学部産科婦人科
pp.477-481
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100086
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1 はじめに
機能性子宮出血(dysfunctional uterine bleeding)は局所性または全身性の原因が同定できない子宮からの出血であり,一般的には子宮内膜からの出血のうち月経と器質性出血を除外したものとされている(図1).もちろん妊娠に伴う出血も除外されなければならない.機能性子宮出血は思春期や更年期といった女性のライフサイクルにおける内分泌環境の急激な変化に伴い生じることが多く,幼年期や老年期には比較的少ない.不正性器出血の診断を行う場合は,機能性子宮出血を含めて各年齢別の高頻度原因を常に念頭に置いて診断を勧める必要がある(表1)1).悪性腫瘍などの器質的疾患,血液疾患による出血性素因を適切に除外したうえで,それぞれの時期における内分泌動態,背景に留意しつつ,不正出血の診断と治療について考えていく必要がある.
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