今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
性成熟期
5.PCOS
松崎 利也
1
,
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.416-424
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903989
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現在,PCOS(polycystic ovary syndrome:多嚢胞性卵巣症候群)と呼ばれている症候群は,SteinとLeventhal1)により1935年に初めて報告された.彼らは,両側卵巣の嚢胞性腫大,無月経,男性型多毛,肥満の臨床症状を備えるものをStein-Leventhal症候群としていた.その後の内分泌学的な検討から,Stein-Leventhal症候群はLHや男性ホルモンの過剰分泌が特徴であること,月経異常患者のうちこれらの内分泌学的特徴を備える者が多いことがわかった.現在では,多毛,肥満を伴わない者も含めて多嚢胞性卵巣症候群として扱うことが多くなっている.本症候群の患者は,不妊治療に際して視床下部性の排卵障害の患者とは異なる反応を示すため,その特徴を理解したうえで治療することが重要である.本稿ではPCOSの不妊診療に必要なデータを集め解説を加えたい.
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