薬の臨床
Duphastonによる機能性子宮出血の治療成績
八神 喜昭
1
,
伊藤 裕正
1
,
鈴木 崇夫
1
Yoshiaki Yagami
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科教室
pp.841-844
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203578
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はじめに
機能性子宮出血とは,子宮卵管卵巣に器質的疾患の認められない異常子宮出血を伴う疾患の総称で,我々臨床医がしばしば遭遇する疾患であるばかりでなく,その治療に関しても困難を覚えることの多い疾患の一つである。そして本症の成因に関しては諸説があるも,そのほとんどはまだ仮説の域を脱せず,従つてその治療法に関してもまだ決定的なものをみない現況である。しかるに近時内分泌学の進歩に伴い,各種ホルモン剤による治療法が考案され,相当の効果をあげうるとの報告に接するに至つた。よつて我々も今回第一製薬株式会社よりprogesteroneの立体異性体である6—Dehydro-retro-progesteorne (Duphaston)の提供をうけたのを機に本剤による機能性子宮出血に対する臨床実験を試み,認むべき治療成績を得たのでここに報告する。
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