今月の臨床 ホルモン療法—新しい動向を探る
ホルモン療法のポイント
4.機能性子宮出血
小田 隆晴
1
1山形県立河北病院産婦人科
pp.1284-1285
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902688
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機能性子宮出血の病態と診断
本症の病態は間脳—下垂体—卵巣系の失調による子宮内膜の異常反応に基づくが,出血をきたす際の子宮内膜に一定の組織学的ルールが認められない.すなわち,質的には月経期のものから黄体期のものまで,量的には萎縮性のものから増殖性のものまで幅広く複雑に絡み合い,正常の子宮内膜の像を呈するものも半数近く認められる1).
本症の特異的診断法はなく,図1に示すように,あくまでも除外診断によるものであり,妊娠,分娩,産褥に関連した疾患,子宮癌,子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮ポリープ,炎症性疾患などの器質性疾患,出血性素因などの内科的疾患を各種の検査で否定する必要がある.
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