臨床経験
直腸側腔は二つある
矢吹 朗彦
1
,
朝本 明弘
1
,
干場 勉
1
,
西本 秀明
1
,
西川 有紀子
1
1石川県立中央病院産婦人科
pp.1317-1321
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903811
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広汎性子宮全摘出術には二つの直腸側腔が観察される.一つは,尿管と内腸骨動脈の間を侵入口として,mesoureterと骨盤側壁の間につくられる腔である.他は,広靱帯後葉と尿管の間を侵入口として,直腸子宮靱帯とmesoureterの間につくられる腔である.前者の展開は,基靱帯起始部の郭清に有利である.後者の展開は,基靱帯と仙骨/直腸子宮靱帯を完全に独立して切離することを可能にし,また尿管トンネルの入口部の試掘のルートとなる.二つの直腸側腔の融合は,より系統的な手術を確立する.
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