症例
頸管妊娠の治療経過と超音波断層像
村尾 文規
1
,
迫田 良一
1
,
瀬戸 学
2
1庄原赤十字病院産婦人科
2庄原赤十字病院検査科
pp.1109-1113
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903755
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子宮外妊娠のなかでも頸管妊娠の頻度は少ない.しかし,その筋層がよく発達しているだけに,診断が遅れれば重篤な症状を呈する可能性があり,早期診断はその予後を大きく左右すると考えられる.そこで本症例をもとに,頸管妊娠の診断および治療効果の評価における超音波検査の有用性について検討した.本症例では,初診時,胎芽およびその心拍動を超音波検査によって描出することが可能で,妊娠の確定診断が容易に得られた.しかし,子宮体部に胎嚢を認めなかったため,頸部を走査し,同部位に胎嚢および内部に胎芽のエコーを描出した.D&C後,頸部筋層に境界明瞭な高輝度のエコー域,その内部に大小不同のエコーフリースペースを認めた.その後,MTXの投与によって,境界明瞭な高輝度のエコー域は徐々に縮小,境界不明瞭,エコーフリースペースの減少,消失と変化した.しかしその痕跡は,3年を経ても描出可能であった.
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