原著
バルトリン腺嚢腫および膿瘍の超音波断層像と超音波検査の有用性について
村尾 文規
1
,
迫田 良一
1
,
瀬戸 学
1
1庄原赤十字病院産婦人科
pp.1431-1435
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903469
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外陰部には,バルトリン腺嚢腫をはじめ,inclu—sion cyst, sebaceous cyst, mucinous cyst, cyst ofcanal of Nuckなどの嚢腫状の異常を生ずることがあり,鑑別には慎重でなければならない.本研究ではバルトリン腺嚢腫を中心に,その超音波断層像の特徴について検討した.本症では無エコー域を呈するものと点状ないし無構造の内部エコーを伴うものとに大別することができた.無エコー域を呈した症例にはその後膿瘍を発生する頻度が高く,内部エコーを伴う症例ではその後,新たな炎症の発生,増悪がみられる頻度が低いことから,内部エコーは,過去に生じた炎症に由来する炎症性物質がエコー源となっている可能性があるが,炎症はすでに終息していると考えられた.毛嚢炎,脂腺嚢腫,血腫などでも本症と酷似したエコーパターンを示すことがわかった.
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