増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
臍帯の病態生理
臍帯の捻転の異常とその病態
宇津 正二
1
UTSU Masaji
1
1聖隷三方原病院産婦人科
キーワード:
病的臍帯過捻転
,
臍帯静脈血流うっ滞
,
臍輪部狭窄
,
FGR
,
IUFD
Keyword:
病的臍帯過捻転
,
臍帯静脈血流うっ滞
,
臍輪部狭窄
,
FGR
,
IUFD
pp.298-305
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001299
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病的な臍帯過捻転の病態とは?
子宮内の胎児にとって母体から酸素や栄養を供給してもらう唯一のライフラインである臍帯が,胎児自身の偏った胎動(回転/旋回)で発生した著しい過捻転のために,特に臍帯静脈血流がうっ滞して胎盤内の絨毛血管までがうっ血して胎児側の胎児胎盤循環障害に陥り,胎児への血流供給が慢性的に低下して胎児の発育を障害している状態(胎児発育不全,fetal growth restriction:FGR)が病的臍帯過捻転の病態である。さらに,この慢性的な臍帯血流うっ滞に加えて突発的・断続的に臍帯血流が遮断され,時には持続的に停止すると,子宮内胎児死亡(intrauterine fetal death:IUFD)にまで陥ってしまうことが最悪な病態である。
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