今月の臨床 婦人科外来
救急患者への対応
1.急性腹症の鑑別診断
菅生 元康
1
1長野赤十字病院産婦人科
pp.601-605
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903634
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●はじめに
婦人科外来で扱う疾患は多いが,短時間のうちに診断や手術の適否を含めた治療方法などの判断を迫られるものは急性腹症(acute abdomen)をおいてほかにみあたらない.患者は医師の目の前で疼痛に苦しみ,付き添いの家族からは原因の説明や速やかな症状の緩和を求められる.そのような状況は日常臨床上しばしば経験する.またそのような経験をたくさん積むことにより一人前の臨床医に育っていく.優れた臨床医を目指す研修医にとってはそういう場面に遭遇する機会が多ければ多いほど研修の実が上がる.主治医としてどのような思考過程で診断に至ったか,治療の選択は適切であったか,患者・家族にいつどのように説明し納得を得ることができたかなどについて指導医とともに反省し,1例ごとに記録しておけば貴重な資料になる.
本稿では,とくに産婦人科研修医にとって参考になるような急性腹症に関する事項をまとめて解説する.
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