今月の臨床 婦人科外来
外来診察と検査
3.内診のコツ
森川 肇
1
1奈良県立医科大学産科婦人科
pp.394-397
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903594
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●はじめに
産婦人科臨床において診断を進めるにあたっては,問診,視診,外診などに加えて,内診という産婦人科特有の技術が要求される.つまり,外性器の視診,腟や子宮腟部の視診と双合診(内性器の状態を触診)により疾病の存在や妊娠の状態を的確に判断する操作が必要になる.しかし,内診は女性がもっとも羞恥心を感ずる部分を視診・触診することになるので,診察者に対する被診察者の信頼の気持ちがなければ診察に協力してもらえないばかりでなく,ときにはまったく所見を得られないこともありうる.したがって,受診者と最初に対面したときから医師と患者の心の交流はすでに始まっているのであり,問診,外診と進むにつれて,患者の気持ちが自然に次第に内診を受け入れられるように進むのが望ましいのである.
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