症例
IUFD後,早期に発症した死胎児症候群の1例
野平 知良
1
,
糸数 功
1
,
牧野 秀紀
1
,
岡部 一裕
1
1東京医科大学八王子医療センター産婦人科
pp.229-232
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903553
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子宮内胎児死亡(IUFD)後,早期に発症した死胎児症候群の1例を経験した.症例は34歳の経産婦.妊娠18週1日の妊婦検診時には胎児心音が確認されたが,妊娠18週3日に少量の不正出血,下腹部痛を訴え近医を受診したところ胎児心拍は消失しIUFDと診断された.受診中より血圧が下降し,血液検査で血小板の著明な減少を認めたため死胎児症候群が疑われ,産科DIC管理目的で当院へ搬送された.輸血,抗DIC治療などを行いながら死胎児を娩出した.児に浸軟はなく,胎盤に後血腫など常位胎盤早期剥離の所見を認めなかったため,IUFD後2〜3日の早期に発症した死胎児症候群と診断した.死胎児症候群はIUFD後4〜5週間経過してから発症することが多いが,本症例のごとく早期に発症する例も存在するので注意が必要であると考えた.
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