今月の臨床 常位胎盤早期剥離─ワンランク上の診断と治療
治療におけるポイントと課題
3.帝切のタイミングとIUFDの取り扱い
関 博之
1
,
村山 敬彦
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.1352-1356
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102834
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常位胎盤早期剥離(以下早剥)の発症頻度は0.5~1%1, 2)と考えられているが,重症例や胎児死亡に至る症例は減少しつつあると報告3, 4)されている.しかし,早剥による児の死亡率は119/1,000 3)と高く,母体にとっては消費性凝固障害を起こす代表的な疾患で,高率に播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症してしばしば母体死亡の原因ともなる.したがって,早剥の管理は周産期医療においてきわめて重要な問題である.特に子宮内胎児死亡(IUFD)を合併した早剥の分娩方法の選択に関しては,わが国ではいまだ方針の統一がなされておらず,その選択には苦慮する場合がしばしばある.以下,文献的考察に筆者らの経験を加え,筆者らの施設での対応の仕方について述べる.
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