連載 Estrogen Series・34
植物エストロゲンと豆乳
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.98-99
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903518
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植物中にエストロゲン作用を持つ物質があることは,よく知られている.これらは一括してpyto—estrogen(植物エストロゲン)と呼ばれる.なかでも大豆に含まれる植物エストロゲンは,われわれが通常口にするものだけに注目に値する.大豆に含まれるエストロゲン物質は一括してイソフラボン(isoflavone)類と呼ばれるが,そのなかにはgenisteinやdaidzeinがあり,さらに腸内細菌による分解で生成されるequolがある.
日本人の食生活に占める大豆製品の比重は高く,そのエストロゲン様作用を考慮するとき,どのような影響を日本人に与えているであろうか?例えば日本では乳癌発生率が欧米に比較してかなり低いが,これなどは大豆その他の食生活と関連があるのであろうか? この点は西欧の研究者からも注目されているところである.
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