症例
新しい化学療法の組み合わせが奏効した子宮平滑筋肉腫転移症例の一例
奥田 知宏
1
,
折野 奈緒子
1
,
木村 順治
1
,
田原 義孝
2
,
小柴 寿人
3
,
木下 由之
4
,
野口 敏史
5
1国立舞鶴病院産婦人科
2国立舞鶴病院研究検査科
3福井愛育病院産婦人科
4京都府立医科大学産婦人科
5社会保険京都病院産婦人科
pp.1107-1111
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903386
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本症例は,腎細胞癌(I期)と重複したIII期の子宮平滑筋肉腫である.閉経後.腫瘍の増大を認め,MRIなどで子宮平滑筋肉腫が疑われたため,1996(平成8年)4月8日単純子宮全摘術,両側卵巣切除術,および骨盤リンパ節試験切除を行ったが,骨盤への浸潤部は不完全摘出に終わったため,術後CBDCA(カルボプラチン),epi-ADM(エピルビシン),CPM(シクロホスファミド)併用療法を5クール行い,さらに骨盤部に放射線療法(60Gy)を行った.
1997(平成9年)6月ころから右顔面神経麻痺が出現し,生検の結果3×4(cm)大の子宮平滑筋肉腫の右側頭骨転移と診断された.DTIC(ダカルバジン®)とADM(ドキソルビシン)の併用投与を4クール行ったところ,転移巣の壊死と著明な改善が認められた.
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