今月の臨床 サイトカインと産婦人科
婦人科腫瘍とサイトカイン
3.抗腫瘍性サイトカイン
菊池 朗
1
,
田中 憲一
1
1新潟大学産婦人科
pp.1085-1087
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903377
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サイトカインはさまざまな細胞から産生される生理活性物質の総称である.近年種々のサイトカインの遺伝子がクローニングされ,遺伝子組み換え技術によりリコンビナントのサイトカインが大量に得られるようになり,悪性腫瘍治療,抗ウイルス剤,造血因子などの分野で臨床応用が進んでいる1).多くのサイトカインが抗腫瘍効果を示すことが基礎的および臨床的検討で明らかにされており,抗腫瘍薬としても期待されている.抗腫瘍効果を示すサイトカインを表1に示した.その作用機序としては,腫瘍細胞傷害,増殖抑制による直接的な抗腫瘍効果とCTLやNKなどのエフェクター細胞の増殖,細胞傷害性増強などによる間接的な抗腫瘍効果(抗腫瘍免疫能の賦活)とに分けられる.
本稿では,抗腫瘍性サイトカインとして臨床応用の進んでいるIFNとIL−2および,近年注目されているIL−12について概説し,最後にサイトカインによる癌遺伝子治療についても触れたい.
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