原著
子宮筋腫に対する腹腔鏡併用腟式子宮全摘術(LAVH)施行症例の検討
竹田 明宏
1
,
渡邊 義輝
1
,
塚原 慎一郎
1
,
井箟 一彦
1
1岐阜県立多治見病院産婦人科
pp.995-998
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903355
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当科においては,術前GnRHアナログ投与により子宮体積を縮小させた後に腟式子宮全摘術(腟式)を行ってきたが,その適応拡大を目的として腟式が困難と予想される症例,すなわち①GnRHアナログ投与後も子宮体積が400cm3以上の症例,②未経産などのために腟腔の狭い症例,③既往開腹手術による癒着の予想される症例,④付属器腫瘍を合併した症例では腹腔鏡併用腟式子宮全摘術(LAVH)にて対応している.
1995〜1997(平成7〜9)年度に407例の子宮筋腫症例に対して子宮全摘術を行ったが,その内訳は腹式子宮全摘術34例,腟式298例,LAVH70例およびLAVH非完遂による術中開腹症例5例であり,開腹手術の割合を9.6%まで下げることが可能であった.LAVH70例中上記①の条件による症例は33例あり,その平均摘出物重量は517gであり,②③④の条件による症例は37例あり,平均摘出物重量は242gであった.LAVHは腟式の適応拡大に有用な手段であると考えられた.
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