薬の臨床
子宮筋腫に対する腟式および腹腔鏡併用腟式子宮全摘出術施行前のGnRHアナログ投与の有用性に関する検討
竹田 明宏
1
,
藤村 秀彦
1
,
塚原 慎一郎
1
,
井箟 一彦
1
1岐阜県立多治見病院産婦人科
pp.461-465
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902911
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当科においては開腹手術を可能なかぎり回避する目的で,積極的に腟式子宮全摘出術および腹腔鏡併用腟式子宮全摘出術(LAVH)を行っている.1990年9月より1996年9月までに岐阜県立多治見病院において腟式子宮全摘出術およびLAVHを施行した子宮筋腫症例中,とくに術前GnRHアナログ(スプレキュア®またはリュープリン®)投与を行い,子宮体積の経時的計測が可能であった112症例(腟式子宮全摘出術:97例,LAVH:15例)につきその有用性を検討した.症例全体でみると子宮体積は投与前371±199cm3であったが,4〜12週の術前GnRHアナログ投与により,その体積が投与前の60.8±18.8%へと縮小し,摘出物重量は腟式子宮全摘出術群で253±76g,LAVH群で452±169gであった.とくに初診時子宮体積が400cm3以上あった30症例につき検討したところ,投与前体積は628±209cm3(最小402—最大1,192cm3)でGnRHアナログの投与により投与前の51.3±18.0%へと縮小し,18例は腟式子宮全摘出術(平均摘出物重量:305±76g,最小150—最大540g),12例はLAVH(平均摘出物重量:488±154g,最小305—最大862g)により摘出可能であった.
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