今月の臨床 早産対策—いま臨床医ができること
病棟での対策—私はこうしている
2.前期破水症例の管理・3
松田 義雄
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.720-723
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903283
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
破水診断とその注意点
病歴を詳細に聴取した後,外陰部を十分に消毒して滅菌した腟鏡を使って視診を行う.大量の水様性帯下が外子宮口より持続的に漏出する典型的な症状に加えて,その帯下がpH 7.1〜7.3の弱アルカリ性でNaClや蛋白を含んだ羊水であることの3項目が確認されれば,正診率は93%まで上昇することが示されている1).
Nitrazineやbrom-thymol-blue(BTB)試験紙によるアルカリ化の証明と,NaClの存在をスライドグラス上でのシダ状結晶(ferning)で確認する方法は,ベッドサイドで簡単にしかも迅速に行えるという点で有用であるが,おのおのにfalsepositive, false negativeがあることを念頭に入れておく必要がある2)(表1).また,同時にGBSなどの細菌培養も必ず行っておく.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.