連載 新生児学基礎講座[臨床編]・15
胎内発育遅延児の管理
仁志田 博司
1,2
1東京女子医科大学
2母子総合医療センター新生児部門
pp.630-635
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900138
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1.はじめに
胎内発育遅延(intrauterine growth retardation,IUGR)とは,子宮内で児の発育が遅延した病的状態を意味する。すでに基礎編で述べたように,light-for-date(SFD)児は,胎児発育曲線上で一1.5SD以下の児と定義されており,その多くがIUGR児である。しかし,すべてとは限らず,家系的または体質的に小さな正常SFD児も含まれている。dysmature児は,IUGR児の中でもなめし革状の乾いた皮膚や爪の黄染など,胎盤機能不全症候群に見られる所見を有する児を意味し,臨床的な表現である。過熟児は,過期産児でdysmature兆候の明らかな児に用いられていたが,過熟という表現は適切でないため使用しない。
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