今月の臨床 腫瘍マーカーは何を語るか
治療戦略への応用
2.卵巣癌の術後管理
木村 英三
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.180-183
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903174
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腫瘍マーカーの有効な利用法としては,癌の早期診断,鑑別診断,予後の推定,治療の効果判定,再発の早期診断,転移巣の経過観察などがある.これらは,結果的にはすべて患者の予後に関連する事項であるが,乳癌のHER−2/neu1)のようにその物質の発現そのものが予後を左右する場合と,血清中に存在するマーカーのように,その物質を測定することにより病態の状況判断を容易にし適切な治療の開始を可能にするなど間接的に予後に関与するものとがある.本稿では,主に後者の面から卵巣癌の術後管理におけるCA125の意義と問題点に焦点をしぼって述べる.
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