Japanese
English
招請講演
卵巣癌
Ovarian cancer
Roland S.Cron
1,2
,
尾島 信夫
3
1Marquette大学産婦人科
2Milwaukee病院
3慶大
pp.381-385
発行日 1958年6月10日
Published Date 1958/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201758
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卵巣癌は婦人性器癌中第3位を占めるものである。米国婦人の年令の増加を考慮に入れると,卵巣癌は呼吸器及び膵臓の癌と共に米国に於いて統計的に確実に増加しつゝある。これは減少を示しつゝある子宮頚癌,(殊に私達の地方では著しいが)に対して著しい対照を示すものである。現今では子宮体癌の1例に対して頚癌の1例を認めるのであるが,20年前に於いては体癌1例に対して頚癌8例の割合であった。40才迄に卵巣癌の現われる頻度は約1(0.930)%で,その後は次第に減少するものと推定されている。卵巣癌は屡々沈黙の腹部腫瘍(silent tumor)と呼ばれる。症状を呈しないものが高率にあることは事実であり,たとえ定期的な内診が反復されていても,無症状の卵巣癌を発見することは普通の婦人科医にとって生涯のうち2,3回位しかないことであろう。
Milwaukee病院では5年間に5,616例の婦人科患者の診察中に512例の卵巣腫瘍を見出した。卵巣腫瘍中で悪性と認められたものが57例即ち11.1%であり,全婦人科入院患者中の1.2%にあたる。
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