今月の臨床 先天異常をどう診るか
新生児のマススクリーニングと臨床的対応
1.先天性代謝異常症
大和田 操
1
1駿河台日本大学病院小児科
pp.68-71
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903146
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単一の遺伝子異常に起因する疾患である先天性代謝異常症(inborn errors of metabolism:IEM)の一部は治療可能であり,そのなかで比較的頻度が高く,確実な診断法がある疾患に対しては,新生児期にスクリーニングが行われている.わが国では,1977年からIEMのスクリーニングが開始され,20年を経過した現在,多くの患者が早期診断されて順調に発育している1-3).このスクリーニングを担っているのは,採血を受け持つ産科,検査を施行するスクリーニングセンターおよび治療を行う小児科であり,とくにスクリーニングにおいて異常が発見された場合に,まず患者の両親と対応する産科医の役割は重要である.もちろん,スクリーニングで発見される患者数はけっして多くはないが,その対象疾患について正しい情報を両親に提供するためにも,わが国におけるIEMの新生児スクリーニングの現況を知っていただきたいと考える.
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