今月の臨床 先天異常をどう診るか
画像診断でどこまでわかるか
2.妊娠中期以降の診断と異常の特徴—頭頸部
田中 守
1
,
宮越 敬
1
,
吉村 𣳾典
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.28-31
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903136
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近年,産科における胎児管理上,超音波断層法による胎児観察が必須となってきている.ことに胎児頭部は大横径(BPD)の計測時に必ず観察される部位であり,全身のなかで最も産科医療従事者の目に触れる臓器の一つである.当院産婦人科における胎児ハイリスク外来に何らかの胎児異常で紹介された患者の約20%を占め,紹介理由の上位を占めている.しかしながら,胎児頭部の先天異常の正確な診断のためには,妊娠週数にともなう中枢神経系の発達および超音波断層法の欠点などを十分に理解する必要があるものと思われる.また,妊娠中期まで生理的,相対的に側脳室が拡張しているため,いわゆる水頭症の早期診断は困難である.本稿では,顔面および頸部と頭部に分け,いくつかの代表的な先天異常についての特徴的な超音波断層像を示す.
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