今月の臨床 産科における検査法—有用性と再評価
妊娠中期
6.高位破水の診断をどうするか
奥山 和彦
1
,
岸田 達朗
1
,
藤本 征一郎
1
1北海道大学医学部産婦人科
pp.838-841
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902999
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破水とは卵膜が破綻し羊水の流出をきたした状態で,破綻の時期から前期破水,早期破水,適時破水などに分類され,破綻の部位により通常の破水(低位破水)と高位破水とに分類される.破水の確定診断は,破水感を訴えて受診した症例ばかりではなく,羊水過少が認められる症例すべてにおいて,管理方針を決定するうえで重要である.とくに流・早産期の症例では,妊娠継続の可否につながることから,破水の有無およびその部位の診断は迅速かつ正確に行われる必要がある.しかし,臨床の場においては,破水そのものの診断さえ困難な症例にしばしば遭遇する.
当科では,長年にわたり破水の診断法に関する研究に取り組んできた.なかでもPSP(phenol—sulfonphthalein)による羊膜腔内色素注入法を,安全性ならびに信頼性の検討から有用な検査法として,破水の確定診断法として採用してきた.
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