連載 OBSTETRIC NEWS
癌胎児性フィブロネクチン測定は早産予知に有用か?
武久 徹
pp.644-645
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902960
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周産期医学の診断,治療の方法は進歩しているが,依然として早産による児の死亡や罹患(mor—tality & morbidity:m&m)は大きな問題となっている.早産児のm&mを大幅に減少させられる有効な方法はないが,切迫早産例に陣痛抑制剤を使用し,分娩時期を延長させ,その間に副腎皮質ホルモンを使用すれば,早産児のm&mを半減させられることが多くの研究で明らかにされている(NIH Consensus Statement.Vol.12,No.2,1994).
しかし,切迫早産の診断は必ずしも容易ではない.また,医療のcost effectivenessの問題,陣痛抑制剤の副作用などを考慮すると,切迫早産症例を正確に診断することがきわめて重要である.しかし,切迫早産診断の「ゴールドスタンダード」である「子宮収縮と頸管の変化」だけで切迫早産の診断を行うと,偽陽性が増加する(BJOG 95:211,1988).
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