原著
Recombinant human erythropoietinを併用した至適自己血貯血法についての検討
井谷 嘉男
1
,
伊藤 公彦
1
,
安達 進
2
,
斎藤 謙介
2
,
野田 恒夫
3
1兵庫県立西宮病院産婦人科
2済生会富田林病院産婦人科
3聖隷三方原病院産婦人科
pp.439-443
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902907
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婦人科手術例にて,液状保存による術前自己血輸血法(自己血輸血)を行い,①保存期間による血液劣化を評価し,有効で効率的な自己血採取法を検討した.貯血後72時間未満の血液をearly(E)群,72時間以上7日以内をmid(M)群,8日以上21日以内をlate(L)群と3群に分類し,血液生化学的変化を検討したところpH,カリウム値,アンモニア値,重炭酸イオン値,base excessで,L群はE群,M群より有意に劣化した.②遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(rh-EPO)のエポエチンアルファ併用群21例,エポエチンベータ併用群16例とrh-EPO非使用群10例の3群を設定した.貯血量が800mlを越すとヘモグロビン(Hb)濃度変化量や体重から概算した総Hb変化量はrh-EPO使用2群で有意に高値を示した.以上より,自己血輸血を行う際はrh-EPOを併用し,自己血を新鮮血化できるスイッチバック法が勧められた.
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