連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
腹式単純子宮全摘術における子宮下部の切断法
鳥居 裕一
1
1聖隷浜松病院産婦人科
pp.316
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902876
- 有料閲覧
- 文献概要
婦人科医にとって,腹式単純子宮全摘術は最も基本的な手術法であり,手術手技に個人差は比較的少ないと思われる.本術式の注意点としては,尿管の損傷に気をつけること,出血とくに子宮動脈の止血に注意をするといったことがあげられよう.手術はより正確に,出血が少なく,できれば迅速に終了することが望まれるが,閉腹時の止血操作に時間がかかることが時々みられる.その出血は,腟断端または子宮傍結合織からのものが多く.なかでも子宮傍結合織からの出血は,尿管がすぐ近くを走行することから思い切った止血縫合ができず,操作に手間取ることが多い.この部分の出血の多くは一度縛った縫合糸のゆるみや滑脱によることが多い.
今回,筆者が日常行っている縫合糸の滑脱予防法を紹介する.原法は半藤保香川医科大学教授に教えていただいたものである.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.