今月の臨床 妊娠中毒症—どのように変わったか
妊娠中毒症の母児管理
5.母体への薬物治療
三宅 良明
1
1日本大学医学部産婦人科(練馬光が丘病院)
pp.275-277
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902861
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妊娠時は胎盤形成とともに母体循環動態が変化(末梢血管抵抗の低下,心拍出量や心拍数の増加,腎,子宮血流量の増加,圧受容器反射の低下など)するとともに胎児を内蔵するため,正常妊娠経過に伴う詳細な母体血圧変化とその調節機構を把握するとともに各種薬剤の胎児への影響を考慮した妊娠時独自の降圧療法が必要と考えられ,単純に内科領域の降圧療法をそのまま妊娠時には適応できないのは当然である.しかも妊娠時は母児双方の予後を考え,最適な管理と治療が要求されるため,妊娠時高血圧病態の鑑別診断,重症度,妊娠週数,分娩時期の決定と方法が必要となる.そこで今回は筆者らの施設で行っている管理の概要について述べる.
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