今月の臨床 新生児診療—産科医のためのポイント
新生児適応障害への対応
1.成熟児呼吸障害の見分け方(TTN,MAS,肺出血)
小川 雄之亮
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.1142-1144
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902654
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新生児の三大呼吸器疾患は呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS),胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome:MAS),新生児一過性多(頻)呼吸(transienttachypnea of the newborn:TTN)である.このうち呼吸窮迫症候群は早産低出生体重児に多発するが,胎便吸引症候群は主として成熟新生児に発症する.一過性多呼吸は比較的体重の大きい低出生体重児や成熟新生児にみられる.
本稿では,成熟新生児の呼吸障害の原因として最も多い一過性多呼吸と,胎児仮死に続発する胎便吸引症候群,そして頻度は高くないがそれらと鑑別を要するものとして肺出血,の3疾患を取り上げ,それら3疾患の見分けかたについて略述する.
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