原著
当科における皮下鋼線吊り上げ法による腹腔鏡下手術施行症例の検討
竹田 明宏
1
,
中村 浩美
1
,
藤村 秀彦
1
,
塚原 慎一郎
1
1岐阜県立多治見病院産婦人科
pp.1087-1090
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902639
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1994年6月より1995年12月までに当科において施行した腹腔鏡下手術症例63例について気腹法(28例)と吊り上げ法(35例)の間での出血量および手術所要時間の差について解析するとともにその有用性について検討した.手術の内訳は,卵巣腫瘍,卵巣出血および子宮外妊娠に対して施行した付属器手術37例(気腹法20例,吊り上げ法17例)と子宮筋腫および子宮内膜症に対して施行した腹腔鏡併用腟式子宮全摘術26例(気腹法8例,吊り上げ法18例)であった.気腹法は炭酸ガス気腹法を用い,吊り上げ法は皮下鋼線吊り上げ法を用いた.付属器手術においても,腹腔鏡併用腟式子宮全摘術においても出血量および手術時間に関して,気腹法と吊り上げ法の間で有意の差を認めなかった.手術操作の容易さおよびコスト面で吊り上げ法が優れていると考えられたが,手術視野の確保という点では気腹法が優れていると考えられた.
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