今月の臨床 婦人科腫瘍境界悪性—最近の知見と取り扱いの実際
取り扱い方針について
3-2.卵巣境界悪性病変—妊孕性保存と術後化学療法
日浦 昌道
1
,
藤岡 徹
1
,
野河 孝充
1
1国立病院四国がんセンター婦人科・臨床研究部
pp.1044-1046
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902626
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卵巣境界悪性腫瘍は若年に好発し,悪性腫瘍に比し,一般的にその予後は良好である.しかも臨床進行期がI期で発見されることが多く1),若年例,未婚例および挙児希望例は,可能なかぎり対側卵巣や子宮を温存することも必要である.しかしながら,長期の経過観察によっては再発してくる症例もまれにみられることから,妊孕性保存については,術中の腹腔内の入念な検索による臨床進行期の確定を行って,症例に応じた個別化がなされるべきである.
今回,本疾患の妊孕性保存と術後化学療法について,最近のその取り扱いを述べてみたい.
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