今月の臨床 妊娠と自己免疫疾患
クリニカルポイント
1.胎児採血は有用か
川鰭 市郎
1
1岐阜大学医学部産婦人科
pp.812-814
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902572
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胎児採血(fetal blood sampling:FBS)は,フランスのDaffosらが1983年に超音波ガイド下に臍帯に直接針を入れて採血を行ったことに始まるとされているが,それ以前にも採血が行われたことがあったようである.ただし,これは胎児鏡を用いたものであり,腹壁から針を刺す方法に比べて危険性の高い方法であった.
FBSは,従来の母体から間接的に情報を得るのとは異なり,胎児そのものの情報が明らかになるため,何らかの疾患を有する胎児の管理指針の決定や分娩の時期など,さまざまな点での指標となるものである.この画期的な検査法が施行されるようになって以来,得られる胎児の情報量は飛躍的に増え,また詳細になってきた.わが国においても現在では,妊娠20週以前でも胎児採血が行われる場合があるようになってきている.
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