今月の臨床 産科外来検診マニュアル
妊娠後期
47.胎児採血
是澤 光彦
1
Mitsuhiko Koresawa
1
1神奈川県立こども医療センター周産期医療部
pp.602-603
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901302
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現代の産科診療は,分娩管理だけでなく,妊娠中の母体管理と胎児管理を重視する方向で進んできている。その中で,胎児管理のもととなる出生前診断法の発展が産科管理全体の改革につながった。
出生前診断法は,大きく超音波診断法を中心とした画像診断法と羊水穿刺,胎児採血などの生検法とに分けられる。画像診断法は,胎児への影響なしに,胎児発育や胎児wellbeingの診断が可能であるため,胎児診断法として最も大切な方法である。ところが,画像診断により,胎児に胎児水腫のような異常が見つかった場合,その原因は画像診断では確定できない。すなわち,胎児採血により,血液性状の情報がないとそれ以後の治療方針が立てられない。このため,胎児採血は胎児に侵襲的な検査ではあるが,他では得られない情報を与えてくれる。
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