今月の臨床 妊娠と自己免疫疾患
自己免疫疾患と胎児・新生児
1.先天性房室ブロック
秦 利之
1
,
青木 昭和
1
1島根医科大学産婦人科
pp.803-805
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902569
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自己免疫疾患では抗核抗体をはじめとする多種自己抗体の出現を認める.自己抗体の一種類である抗Ro(SS-A)抗体は,シェーグレン症候群で高率に陽性となるが,全身性エリテマトーデス(SLE)や慢性関節リウマチ(RA)などの自己免疫疾患でもしばしば認められる.一方,1983年に初めて先天性房室ブロックと,母体の有する自己抗体のうち抗Ro(SS-A)抗体との強い関係を示唆する報告1,2)がなされて以来,自己免疫疾患合併妊婦の周産期管理における胎児不整脈,とくに胎児房室ブロックの重要性が示唆されるようになってきた.
本稿では自己免疫疾患が胎児に与える影響のなかでもとくに胎児房室ブロックについて概説する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.