今月の臨床 妊娠と自己免疫疾患
自己免疫疾患をもつ妊婦の管理
3.ITP
高木 健次郎
1
,
坂元 秀樹
1
,
佐藤 和雄
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.778-780
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902561
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ITP(Immunological Thrombocytopenic Pur—pura/Idiopathic Thrombocytopenic Purpura)は,自己の血小板に対して抗体を産生することによって,血小板が破壊されるために起こる疾患であり,若い女性に好発するため,妊娠を契機に発見されることも少なくない.妊娠に合併したITPは母体のみならず児に対しても出血の危険を及ぼすため,その妊娠分娩管理に関する多くの報告がなされている.一般に急性型のITPは小児期に先行するウイルス感染により発症し,ほとんどが一過性であるのに対して,慢性型のITPは成人に好発し,自然寛解するものは少ないとされている.われわれの施設においても毎年数例のITP合併妊産婦の管理を行っており,以下にその管理指針について解説する.
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