今月の臨床 妊娠と自己免疫疾患
妊娠は自己免疫疾患にどう影響するか
田中 忠夫
1
,
秋山 芳晃
2
1東京慈恵会医科大学産科婦人科
2国立大蔵病院産婦入科
pp.766-770
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902558
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不明な部分は多いが,X染色体上の遺伝子の関与,あるいは性ステロイドホルモン・性腺刺激ホルモン分泌の影響などにより,自己免疫疾患は女性に多く発症し,しかも生殖年齢に好発することが知られている.また,免疫学・分子生物学の進歩によりその病因・病態の解明がすすみ,治療法あるいは産科学的管理が確立されつつあることともあいまって,難病とされていた自己免疫疾患を持つ女性にも妊娠・出産の機会が与えられるようになり,自己免疫疾患合併妊娠の症例は増加してくる傾向にある.
したがって,自己免疫疾患の発症や予後に及ぼす妊娠の影響を知ることは,内科医だけでなく産科臨床医にとっても今後の重要な課題と考えられる.
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